雨男が行く鉄道旅

~旅に出る日はいつも雨模様~

秘境駅に行こう!~群馬県 湯檜曽駅~

 

「ループ線」が見下ろす秘境駅!

かつて国境を越える入口となった駅へ

鉄道で旅に出かけましょう!

 

こんにちは!雨男です!

今回は群馬県の秘境駅である

JR上越線「湯檜曽駅」を紹介します!

関東から上越へと繋がる国境路線。

大自然と「ループ線」がある秘境駅に

鉄道で旅に出かけよう!

 

 

秘境駅に行こう!

~群馬県  湯檜曽駅~

 

 

●湯檜曽(ゆびそ)駅について

 

 

今回紹介する「湯檜曽駅」は

「群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽」

所在するJR上越線の駅となります!

歴史を遡ること1931年、

 

鉄道史に残る難工事を経て

「水上~越後湯沢」間が開通したことで

「湯檜曽駅」の営業が始まりました!

 

開業当初の湯檜曽駅は

現在よりも離れた場所にありましたが、

 

1967年に上越線の複線化を目的とした

「新清水トンネル」が開通したことで

現在の場所に駅が移転されました!

 

湯檜曽駅

現在、上越線が開通した当初の線路は

「上り線(水上・高崎方面)」として、

 

1967年に新しく開通した線路は

「下り線(越後湯沢・長岡方面)」として

それぞれ使用されています!

 

 

●名物「湯檜曽ループ線」

 

 

今回のブログで読者の皆さんに

「湯檜曽駅」をオススメする理由の

1つになるのが「湯檜曽ループ線」です!

 

湯檜曽ループ線

画像はGoogle Mapより引用

 

「ループ線」を簡単に説明すると、

高低差のある地形をクリアするために

「螺旋状」に敷設した線形のことです。

 

JR上越線「水上ー越後湯沢」間では

群馬県と新潟県の県境となる

谷川連峰の険しい山間部を越えるために、

 

群馬県側で「湯檜曽ループ線」

そして新潟県側で「松川ループ線」

 

「上越国境」を越えるために敷設された

2つのループ線で高低差を克服しています

 

JR上越線と「上越国境」

画像はGoogle Mapより引用

 

特に自然の地形を利用して綺麗に一周する

「ループ線」は全国でもかなり珍しく、

 

湯檜曽駅の「上り線ホーム」では

この日本屈指のループ線を走る列車の姿を

綺麗に眺望できるので、

 

群馬県の奥地にある「湯檜曽駅」は

鉄道ファンに人気の場所となっています!

 

ホームから眺める「湯檜曽ループ線」

これが鉄道ファンだけが知っている

名物「湯檜曽ループ線」となります(^^)

 

 

それではここから先は、

群馬県屈指の秘境駅と名高い

「湯檜曽駅」の楽しみ方を紹介します!

 

●湯檜曽駅を楽しもう!

 

 

①「湯檜曽ループ線」

 

 

まず最初に紹介するのは

湯檜曽駅の名物とも言うべき

「湯檜曽ループ線」を眺めましょう!

 

「ループ線」を眺めることができるのは、

1931年に開業した線路にホームがある

「上り線ホーム」となります!

「湯檜曽ループ線」については

先ほど紹介したので、

 

実際に山の中腹にあるループ線を走行して

湯檜曽駅に降りてくる列車の様子を

写真で紹介したいと思います(^^)

 

それでは普通「水上行」が

ループ線を走行して湯檜曽駅に到着する

様子をご覧ください!

 

山の中腹にある架線柱に注目です

湯檜曽駅に到着する5分程前に

列車の走行音が遠くから聞こえてきます。

 

湯檜曽ループ線を通る「E129系」

列車は湯檜曽駅より高い場所を

一旦は通り過ぎてしまいますが、

 

山に敷設されたループ線を走行しながら

徐々に高度を落として駅へと到着します!

目の前を通り過ぎた列車が、

ループ線を経て目の前にやって来る!

 

これが「ループ線」の面白さであり、

この一部始終をホームから眺望できるのは

全国でも限られた場所しかありません!

 

ちなみに、この「湯檜曽ループ線」を

走行する列車は「水上方面」へと向かう

「上り列車」のみであるため、

 

この光景を確実に見られるのは

普通列車が湯檜曽駅に停車する

「1日5回」しかありません。

 

稀に貨物列車も走行しますが、

上越線は運行本数がかなり少ないので、

訪れる際は必ず時刻表を調べましょう(^^)

 

 

②○○○○の中にあるホーム

 

 

次に紹介するのは

湯檜曽駅の「下り線ホーム」です!

 

先ほどまでは

ループ線の見える「上り線ホーム」を

主に紹介してきましたが、

 

実はどの写真にも

「下り線ホーム」は写っていません(^o^;)

(気が付きましたか??)

 

それもそのはず、

なんと湯檜曽駅の「下り線ホーム」は

この中にあります!!

 

実は湯檜曽駅の「下り線ホーム」は

「新清水トンネル」の中にあります!

冒頭でも紹介しましたが、

 

1967年に上越線の複線化を目的とした

「新清水トンネル」が開通したことで

湯檜曽駅は現在の場所に移転しました。

 

複線化により、

新しく開業した「下り線ホーム」が

新清水トンネル内に設置されたことで、

 

湯檜曽駅は地上に「上り線ホーム」、

地下に「下り線ホーム」という

全国でも珍しい構造をした駅になります!

 

上り線ホーム

下り線ホーム

 

さらに、湯檜曽駅の地下ホームは

トンネルの入口付近にあるので、

地上ホームとほぼ同じ高さにあります!

 

ホームより入口付近を眺める

そのため、駅の入口から地下ホームまで

スロープ仕様の通路だけで移動可能であり

 

なんと、階段を1段も降りることなく、

地下ホームに入ることができるという

面白い構造をした駅となりました(^^)

 

駅の入口からホームに繋がる通路

下り線ホーム

このように、階段を1段も降りずに

地下ホームにたどり着ける駅は、

 

日本の数ある鉄道駅の中でも

おそらくこの湯檜曽駅だけだと思います!

 

湯檜曽駅を訪れた際はぜひ、

階段が1段も存在しない地下ホームも

体験してみてはどうでしょうか(^^)

 

●湯檜曽の町を散策しよう!

 

 

駅の散策を一通り終えたら、

湯檜曽の町も散策してみましょう!

 

谷川連峰にある美しい自然の町、

そして町に敷かれた上越国境の鉄路

 

湯檜曽の町は

駅の外も見所がたくさんありますよ(^^)

 

山岳地帯に敷設されたJR上越線

 

湯檜曽川に架かる橋梁

ループ線の出口となるトンネル

トンネルより高い場所に線路があり、

ループを経てこのトンネルへと至ります。

 

利根川へと流れる湯檜曽川

 

「旧 湯檜曽駅」

 

かつての「旧 湯檜曽駅」は

湯檜曽ループ線の少し手前に設置され、

今でも山の中腹に駅舎が残されています。

 

旧湯檜曽駅に訪れる際は、

「ゆびそ温泉」というバス停の奥にある

山道を5分程進みましょう!

 

「ゆびそ温泉」停留所

開けた場所にたどり着くと、

そこが「旧 湯檜曽駅」です!

旧 湯檜曽駅

旧 湯檜曽駅 入口

扉の穴から中を覗くとこんな感じでした。

この階段の上にJR上越線の線路と

旧ホームの跡地がありますが、

 

おそらく「旧湯檜曽駅」は

JR東日本の管理下にあるので、

入ってはいけない場所となります(^o^;)

 

もし、入ることが許されるのであれば、

旧湯檜曽駅のホームに立ってみたいですね

 

湯檜曽に訪れた際はぜひ、

この旧湯檜曽駅にも足を運んでみては

どうでしょうか??

 

 

●最後に

 

 

「上越国境」の入口となる

湯檜曽駅の旅はいかがでしたか??

 

最後に少しだけ、

上越線の歴史を紹介すると

 

上越線がまだ「上越国境」で分断され、

1つの線路として繋がってなかった時代、

 

新潟県側の上越線は「上越北線」

群馬県側の上越線は「上越南線」

と一般的に呼ばれていました。

 

その後、「上越北線」と「上越南線」が

「清水トンネル」開通により繋がったので

後に上越線と改称されることになります。

 

上越線「水上ー越後湯沢」間の開業により

東京から新潟県までの所要時間は

約2時間ほど短縮されましたが、

 

同時に、鉄道史に残る大工事によって

多数の死傷者も出てしまいました。

 

特に県境を越えるトンネルであった

約9.7kmにも渡る「清水トンネル」の

工事による死傷者数は、

 

一説によると、

「死者48名 重軽傷者2720名」と

言われています。

 

時代が過ぎた今となっては

上越線の工事により多数の死傷者が

出たことはあまり知られていませんが、

 

かつての記憶を忘れないよう、

旧湯檜曽駅の跡地となる場所には

 

今も慰霊碑として

「上越南線殉死者供養塔」が

上越線を見守るかのように建っています。

上越線開業の裏では

実はこのように悲しい歴史もありました。

 

 

後の、上越新幹線の開業により

今では上越線を利用して「上越国境」を

越えることはほとんど無くなりましたが、

 

かつて大工事が行われた湯檜曽の町には

険しくも美しい自然と鉄路があります。

この国境を越えるための鉄路は

今では関東や新潟方面を結ぶ貨物輸送等で

大きな役割を果たしています。

 

また、電車の本数が少なくなった今でも

鉄道の歴史や日本の土木技術の進歩を

この地で垣間見ることができます。

 

そんな歴史と自然溢れる「国境の町」

鉄道で旅に出かけてみませんか?

 

日本屈指の「ループ線」が見下ろす

群馬県「湯檜曽駅」へ、

貴方も鉄道で旅に出かけましょう(^^)

今回のブログはここまでとなります!

読んでくださりありがとうございました!

 

あと2回ほどは群馬県の紹介となりますが

また次回の鉄道旅もお楽しみに(^^)

 

 

●湯檜曽駅アクセス

 

 

群馬県側より

 

JR高崎駅で上越線「水上行」に乗車、

その後、水上駅で上越線「長岡行」に

乗車して一駅となります!

 

水上駅

運行本数は少ないですが、

水上駅から湯檜曽方面へ向かう「バス」も

運行されています。

 

 

新潟県側より

 

JR越後湯沢駅から

上越線「水上行」に乗車しましょう!

越後湯沢駅から湯檜曽駅までは5駅です!

 

越後湯沢駅

新潟県側より向かう「上り線」では

2つのループ線と清水トンネルを通るので

 

当時の「国境越え」

今でも列車で体験することができます!

 

注意事項としては、上下線共に

1日の運行本数が「5本」なので

必ず計画を立てて訪れましょう!

 

また、湯檜曽駅は無人駅なので、

もし訪れた際は必ず駅の「発行機」で

乗車駅証明書を発券してくださいね(^^)

 

●おまけ

 

 

「雪国」と清水トンネル

 

ブログに登場した「清水トンネル」こそ

川端康成の著作「雪国」の一節に登場する

「国境の長いトンネル」です。

 


川端康成 「雪国」より

 

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

 

越後湯沢方面に向かう列車から見た

「上越線の情景」が思い浮かばれます!

 

国境を越えた先にある新潟県の風景